海藻がダイエットに効果的な理由と痩せる食べ合わせ【食べすぎの危険も緩和!】
更新日: 2018年11月03日

管理栄養士の鈴木です。今回は体の中から綺麗になれる海藻ダイエットについてお伝えします。
海藻ダイエットとは、海藻をおかずに取り入れて、1日に1、2皿程度食べるだけの簡単なダイエット方法です。
それなのに、肥満やむくみの予防、代謝UPなどの効果が期待できるため、多くのダイエッターから注目を集めています。
そこで、海藻ダイエットが効果的な理由や実践する上での注意点、効果を上げる食べ方のコツを詳しくご紹介します。
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海藻ダイエットが効果的な理由
海藻はエネルギーがとても低い食品です。そのため、おかずにすると全体のエネルギー量を減らすことができます。
さらに海藻にはダイエットに最適な栄養素である水溶性食物繊維、カリウム、ヨウ素が含まれています。
それぞれの栄養素の働きをご紹介しながら、何故、海藻がダイエットに効果的なのかをご説明します。
海藻の食物繊維はダイエットの強い味方
食物繊維は腸を元気にしてくれる栄養成分です。
食物繊維には、水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維の2種類があり、海藻は水溶性食物繊維を豊富に含んでいます。
水溶性食物繊維には、次の3つの特徴があります。
食べ物がゆっくり腸を移動して腹持ちが良くなる
食事で水溶性食物繊維を摂取すると、胃腸で水を含んだ水溶性食物繊維がネバネバのゼリー状になります。
ネバネバの水溶性食物繊維は、他の食べ物といっしょにゆっくりと腸を移動します。
すると食べ物が腸内に長時間滞在するため、腹持ちが良いのです。
腹持ちが良いと間食が減ります。三食きちんと食べるリズムは、太りにくい体質作りの基本となります。
糖質の吸収を緩やかにして太りにくくする
糖質は主食(ごはんやパンや麺など)に多く含まれています。
動いたり考えたりするための大切なエネルギーである糖質。
しかし食べ過ぎたり、運動不足で糖質がエネルギーとして使われずに余ったりすると、脂質として蓄積されやすくなるのです。
海藻の水溶性食物繊維は、この働きを抑えてくれます。
糖質と海藻を摂取すると、水溶性植物繊維の働きで糖質がゆっくりと腸から吸収されます。すると血糖値がゆっくりと上昇し、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の放出を緩やかにします。
インスリンは余った糖質を脂肪として蓄える働きをします。
つまり海藻をおかずに取り入れることで、脂肪を合成するインスリンの放出をおさえ、太りにくい食事になるのです。
腸内環境を良くしてお腹すっきり
海藻は腸内をキレイにして、便秘によるポッコリお腹も改善してくれます。
腸の中にはたくさんの腸内細菌がいます。それぞれの働きによって善玉菌と悪玉菌、そして日和見菌の3種類に区別することができます。
善玉菌と悪玉菌は常に戦っており、日和見菌はその時々の優勢な方へ味方をします。
善玉菌が優勢であれば、腸内環境が整っている状態です。しかし悪玉菌が増えると腸内環境は悪くなり、吹き出物や肌荒れ、また便秘などの症状が現れます。
善玉菌のために活躍するのが、海藻に含まれる水溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維は、善玉菌のえさになり、善玉菌の働きを助けます。さらに腸内の有害物質を吸着して排泄する役割も持っています。
海藻は善玉菌を元気にするだけでなく、善玉菌が住みやすい健康な腸内環境を整えるように働いてくれるのです。
また海藻は、不溶性食物繊維も含んでいます。不溶性食物繊維は腸内の掃除屋で、腸内を物理的に刺激して排便を促す働きをします。
便秘を改善して腸内をキレイにし、ポッコリお腹をすっきりさせることができます。
カリウムでむくみの予防と改善
海藻に含まれるカリウムは塩分の排泄を促し、むくみの予防・改善をしてくれます。
なぜ塩分を排泄するとむくみが改善されるのか、それはむくみの原因の一つが塩分の摂りすぎだからです。
例えば塩分の高いラーメンを汁ごと食べると、のどが渇きませんか?
これは体内で増えすぎた塩分を薄めようと、体が水を要求するためです。のどの渇きに任せて水を飲み、うまく排泄されなければむくみとして体に現れます。
改善するには塩分の摂取を控えつつ、さらに、塩分を上手に排泄することが大切です。
塩分を上手に排泄してくれる栄養素が、海藻に含まれるカリウムです。
カリウムは塩分(ナトリウム)が腎臓で再吸収されるのを防ぎます。腎臓で吸収されなかったナトリウムはおしっことして体の外に出るため、体のナトリウム濃度が下がります。結果、むくみが改善されるのです。
むくみが改善されるとスリムに見えます。むくみの改善は脂肪を落とすより簡単なので、症状のある人は海藻を食事に取り入れることをおすすめします。
ヨウ素で新陳代謝UP
ヨウ素には、新陳代謝を上げて太りにくくする効果があります。ヨウ素を多く含んだ食品の一つが、海藻です。
ヨウ素の摂取で新陳代謝が上がるのは、ホルモン(甲状腺ホルモン)の働きによるものです。
新陳代謝が活発になると、三大栄養素である炭水化物、たんぱく質、脂質が燃焼しやすくなり、太りにくい体質にもつながります。
ヨウ素が不足すると基礎代謝が低下し、太りやすくなったり疲れやすくなったりします。しかし日本は海に囲まれた島国。環境的に海藻を食べる頻度が高く、ヨウ素が不足することはないようです。
海藻の食べ過ぎには注意しよう
ダイエット効果を十分に得るためにも海藻を食べてほしいのですが、食べ過ぎには注意が必要です。
気をつけなくてはいけないのがヨウ素。ヨウ素を摂りすぎると甲状腺の病気になる恐れがあるのです。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、成人男女の1日のヨウ素の推奨摂取量が0.13グラム、上限が3グラムとなっています。
海藻の中でもヨウ素が多い食材は、昆布です。乾燥昆布は5センチメートル四方で約12グラムのヨウ素を持っています。
ほかは、ワカメ2グラムで約0.15グラム、焼きのり大判半分で約0.06グラム、ひじき5グラムで約1.5グラムです。
海に囲まれた日本では海藻を食べる機会も多く、時には上限を超えるヨウ素を摂ることもあります。しかし、時々であれば問題はありません。
問題なのはサプリメントで大量に摂取したり、昆布などヨウ素が多い食品を大量に、かつ継続的に摂取したりする場合です。
次の項目で適量の目安をご紹介します。
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海藻ダイエットを成功させるための食べ方は?
どんな食材でも極端にそればかりを食べ続けるとデメリットが多くなります。海藻もそうで、ダイエットに効果があるからと、例えばおやつ昆布ばかりを食べ続けていると、ヨウ素の摂りすぎで病気になりやすくなります。
適量の海藻を食べることが大切です。適量の目安は、海藻を使った料理を1日に1~2皿程度です。
例えば1日2皿食べるとします。
朝食にワカメスープ、昼は食べずに、夕食に昆布の佃煮、といった具合です。
他にもうどんの具、みそ汁の具、酢の物、海苔巻き、ポン酢と和えるなどして、海藻を摂取してもいいでしょう。
海藻のダイエット効果を助けてくれる大豆・大豆製品
「海藻の食べ過ぎが気になるけど、たくさん食べたい!」人に、おすすめの食材があります。それは大豆・大豆製品です。
『「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書』の文中に、海藻のヨウ素と大豆のイソフラボンについての報告があります。それによると、ヨウ素の摂りすぎによる病気をイソフラボンが防ぐとされているのです。
大豆はイソフラボンの他にも、不溶性食物繊維やカリウム、また筋肉を作るために必要なたんぱく質など、ダイエット効果に優れた栄養素を含んでいます。そのため、海藻のダイエット効果をサポートするのに最適です。
実は大豆イソフラボンのほかにも病気を予防する食品はありますが、大豆や大豆製品をおすすめするのは、海藻との組み合わせが日本の食文化になじんでいるからです。
例えば昆布だしで作ったみそ汁にはワカメや豆腐、揚げなどが入りますよね。また、ひじきと大豆の煮物、めかぶ納豆、おからと昆布の炒り煮など、大豆製品と海藻の料理は和食の定番です。
そこで、手軽に食べることができる、大豆製品と海藻を使ったとても簡単なサラダのレシピをご紹介します。
海藻ミックスを使った、海藻と豆腐の簡単サラダ
海藻と豆腐(大豆製品)を使用したお手軽なサラダです。
たんぱく質、ビタミン、ミネラルが摂取できる、バランスのいい組み合わせです。
材料(2~3人分)
- 海藻ミックス:1/3袋
- 水菜:1/2束
- 豆腐:1丁
- ポン酢 大さじ2
- ごま油 小さじ2
作り方
- 海藻ミックスを水に浸けて戻す。水菜は食べやすい大きさに切る。豆腐も一口大に切る。
- 海藻ミックスと水菜はしっかり水を切り、混ぜ合わせる。
- ポン酢とごま油を混ぜ合わせてドレッシングを作る。
- 皿に2を盛り、その上に豆腐をのせる。食べるときにドレッシングをかける。
海藻ミックスは数種類の海藻を手軽に食べることができるのでおすすめです。
大豆を加えてビーンズサラダにしたり、揚げを細く切ってカリカリに焼いたものを振りかけたりしても美味しいですよ。
まとめ
海藻はダイエットに欠かせない栄養素をたくさん持っています。
水溶性食物繊維は食事の腹持ちを良くしてくれたり、糖質の吸収を穏やかにして太りにくい体作りを助けてくれたりします。また不溶性食物繊維とともに腸内をキレイにしてくれるので、便秘のポッコリお腹にも効果的です。
カリウムは、太って見えてしまう「むくみ」の予防と改善に効果があります。
ヨウ素は新陳代謝を活発にし、摂取することで太りにくい体質につながります。
このように嬉しい効果が期待できる海藻ですが、やはり食べすぎはよくありません。おかずとして、海藻を取り入れた料理を1日に小鉢1~2皿食べるようにしてください。
お料理は大豆や大豆製品と組み合わせるのがおすすめです。
日本人が昔から親しんできた海藻のパワーを、上手に摂取してくださいね。