リバウンドの原因と対処法!ダイエットが成功する4つのポイント
更新日: 2018年11月05日
今度こそ何が何でも痩せるゾ!と決意して新たなダイエット法に取組む方も多いでしょう。もしかして、それを繰り返してはいませんか?
「リバウンド」を繰り返すと、逆に痩せにくい身体になってしまいます。リバウンドしないダイエットこそ真のダイエット法と言えます。原因を知って今度こそダイエットを成功させましょう。
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なぜ太るのか?人間の身体は脂肪を溜め込むようにできている
まず、なぜダイエットが必要になるほど太るのか?ということについて考えてみましょう。散々ダイエットに挑戦している方は、当然「摂取エネルギー < 消費エネルギー」というダイエットの基本はご存じでしょう。
今の私達の身体のしくみができたのは、およそ5万年前~10万年前と考えられています。食糧が豊富になったのはつい最近です。もともと私達の身体は、飢餓に備えてちょっとでも食糧が入った時にセッセと脂肪にして溜め込むようにできています。
少ない食糧でも生命維持・生活ができるようにできています。
飢餓への精妙な防御システムは体内に備わっていますが、食べ過ぎ(摂取エネルギー過多)は想定外なので防御システムは備わっていないのです。そのために、運動不足や太りすぎはさまざまな不調や病気を招くのです。
なぜ、リバウンドするのか?リバウンドのしくみ
ダイエットで体重が減った後に時間が立つと、元に戻るまたは元以上に体重が増えてしまうという現象をリバウンドといいます。
ダイエット経験者のうち7割以上がリバウンドしてしまうと言われています。結局元に戻ったらダイエットは成功したとは言えません。
なぜリバウンドするのでしょう?リバウンドのしくみを知って、今度こそ、失敗しないダイエットをしましょう。
リバウンドの原因1:人間の身体は、恒常性(ホメオスタシス)によって守られている
食事制限や○○制限ダイエット法、置き換えダイエット法、これだけ食べればOKダイエット法等々は、一時的に体重は減りますが、停滞期やリバウンドを招くことが多いようです。
最初は順調に体重が減るけれども、その後になかなか体重が減らないという停滞期を経験した人は多いでしょう。停滞期で諦めてしまって、また元の木阿弥どころか前以上に体重が増えては意味がありません。
なぜ、停滞するのか?の原因は、私達の身体のしくみにあります。人間の身体は、恒常性(ホメオスタシス)というシステムによって守られています。
恒常性(ホメオスタシス)とは、体重だけではなく体温や血圧・内分泌系・免疫など、身体全体を常に一定の状態に保つ生命維持のしくみです。
私達の身体は恒常性により、体重減少から身を守るしくみを持っています。
入ってくるエネルギーが少なくなり体重が一定以上に減ると、身体の恒常性システムは「これはマズイ!消費エネルギーを節約せねば」という判断をして、それ以上体重が減らないようにします。
食事制限などのダイエットによって1ヶ月に5%以上体重が減ると、恒常性のしくみによって身体は節約モードになります。
それまでと同じ食事制限法をしていても、身体が節約モードになっているので消費エネルギーは少なくなり体重減少は止まる(=停滞期)というわけです。
ここで諦めてダイエット前に食事を戻すと、摂取エネルギーは増えて、消費エネルギーは少ないままという状態になります。
ダイエット前以上に体重が増えるというリバウンドが起こるのは、この恒常性維持のしくみに原因があります。
リバウンドの原因2:満腹感と空腹感
食欲に関わる物質としてシーソーのように働いているのが、レプチンとグレリンです。またセロトニンも食欲に深く関っています。ここでは、主にレプチンとグレリンについて紹介しましょう。
満腹サインを出すレプチン
レプチンとは、脂肪が脂肪細胞に吸収されると「もう脂肪は充分だよ」と知らせる働きがあります。
食事によってレプチンが脂肪細胞から分泌されると脳の満腹中枢が刺激されて、食欲はおさまります。
レプチンの出る量は、その人の体脂肪の量に比例します。ですからダイエットして体脂肪が減ると、レプチンの量も減ります。そのためより多く食べないと満腹感が得られなくなります。
脳はレプチンの量によって食欲と代謝率をコントロールしていますが、一回毎の食事量に比例するわけではなく1ヶ月くらいの期間でコントロールしています。
ダイエットを諦めた場合は、レプチンの量はすぐには戻らず少ないままで食事量を元に戻すと、満腹サインが得られにくく食べすぎてしまいます。
ダイエットを中断したら、前よりも食べ過ぎて太ってしまったというリバウンドは、こういうしくみで起こります。
体脂肪の量に比例するなら、太っている人はレプチンの量が多くて食べすぎにはならないんじゃない?と思う方もいるかもしれません。
確かに体脂肪が多いとレプチンの量は増えるのですが、レプチンから満腹サインが頻繁に出される状態が続くと、サインを受取る方の感知力が鈍くなってしまうのです(レプチン抵抗性)。
レプチン抵抗性が出来てしまうと、痩せにくい身体になってしまいます。
満腹感が得られず食べ過ぎる⇒太る⇒さらにレプチン感度が鈍くなるという悪循環を引き起こします。
体脂肪を減らして、満腹サイン・レプチンの感知度を上げることが大切です。
空腹サインを出すグレリン
満腹サインを出すレプチンと反対に、空腹サインを出すのがグレリンです。
グレリンは主に胃と小腸上部から分泌され、食欲中枢を刺激して、脂肪の蓄積を促す物質です。食事前や食事を予期した時に最も分泌量が高くなります。
「じゃ、食事の回数を減らせばいいじゃないの?」と思うのは早計です。食事回数が減ると1回のグレリン上昇の幅が増して、空腹感と食べる量が増える結果になります。
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リバウンドせずにダイエットを成功させる4つのポイント
リバウンドのしくみがわかったところで、リバウンドせずにダイエットを成功させる4つのポイントを紹介します。
1.体重減少は1ヶ月5%以内に抑える
めきめき体重が減ると達成感はあります。しかしリバウンドを防ぐためには、体重減少は1ヶ月5%以内におさえましょう。60kgの人なら、3Kg以内です。
恒常性システムが「飢餓状態だ、エネルギーを節約しよう」と判断しない程度の体重減少に抑えるのが一つ目のポイントです。
2.停滞期に中断しないこと
停滞期は停滞ではなく「あるべき体重や体脂肪」の判定基準を変更するかどうかの猶予期間だと理解しましょう。ここでダイエットを中断すると、「やっぱりこの体重減少状態は間違いなのだ」と脳が判断して減った分を元に戻そうとします。
ダイエット状態の体重や摂取エネルギーが「あるべき状態」と判断されると、今度はそれが標準となり、減った体重や体脂肪を維持しようとします。
ダイエットで減少した体脂肪とレプチン量が通常の状態だと、身体のしくみが判断するために約1ヶ月ほどかかります。
停滞期に中断せずに続けると、少なくなったレプチン量に身体が慣れて少ないエネルギーでも満足を得られるようになります。この停滞期を乗り切れるかが、ダイエット成功失敗の分かれ目の大きなポイントです。
3.充分な睡眠をとる
慢性的な睡眠不足の場合は、太りやすいという研究結果が出ています。
睡眠不足の場合は、満腹感を知らせるレプチンの出方が少なくなります。7~8時間睡眠の場合と、4時間睡眠の場合では、血中のレプチンレベルが18%低くなり、空腹感を刺激するグレリンレベルが28%も高くなるという報告があります。
睡眠不足は、食欲を刺激して脂肪を蓄え、高カロリーの食品を食べたくなるような身体状態を作り出すといえます。
また、睡眠不足は代謝の低下を招きます。代謝が低下すると、消費エネルギーが少なくなります。
睡眠不足は、食欲を刺激して食べ過ぎるばかりでなく、消費エネルギーも少なくなりダイエットにとっては大敵です。ダイエットを成功させたいのなら、まず充分な睡眠を心掛けましょう。
4.ストレスを溜めない
食欲をコントロールしているレプチンとグレリンの他に、もうひとつ食欲に深い関りがあるのが「セロトニン」です。
セロトニンは体内の安定状態を作り出す役割で、身体のさまざまな機能が正常に安定して動くようにベースの働きをします。
睡眠覚醒や食欲、性欲、情緒、幸福感などに関っています。
セロトニンは、食事による満足感をもたらし食欲を抑える働きがあります。セロトニンはストレスから身を守る働きもしています。
慢性的なストレス状態が続くと、セロトニンの分泌が減ってしまいます。するとイライラしたり、不安が募ったり情緒不安定になります。
イライラすると甘い物を食べたくなるという経験はあるでしょう。甘い物や肉などは一時的にはセロトニンの分泌を増やします。
精神的なストレスが続くと、情緒を安定させようとする働きからおやつなどを食べ過ぎてしまうことがあります。
生活リズムの乱れ、睡眠不足や疲れ、緊張、不安などはセロトニン神経に悪影響を及ぼします。
上記3-2の停滞期は特にストレス・イライラは大敵です。
リバウンドしないためには、情緒安定は大きなポイントです。
規則正しい生活リズム、充分な睡眠、20~30分程度の適度なリズム運動、腹式呼吸などがセロトニンを活性化して、情緒安定効果をもたらします。
まとめ
ダイエットに失敗するのは「意志が弱い」からではなく、きちんと身体のしくみを理解していないからです。
リバウンドせずにダイエットに成功する近道は、無理をせずに基本的な生活習慣を整えることが大切だということがわかりますね。
体重減少だけでなく、病気予防・美容・精神衛生の面でも正しいダイエットを行うことは効果があるでしょう。
今度こそ、リバウンドなしのダイエットを成功させましょう。