ゆっくり食べるだけで痩せる方法!効果の理由とやり方のコツ
更新日: 2018年11月03日

管理栄養士の髙橋です。今回はゆっくり食べるだけで痩せるダイエット方法についてご紹介します。
食事にゆっくり時間をかけて食べることは、よく噛むことにつながります。
噛む回数が増えれば増えるほど、胃や小腸といった内臓に血液を送る働きをする動脈の血流量が増えて、消費エネルギーが多くなることがわかっていますので、ダイエットすることができるのです。
参考サイト
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ゆっくり食べるだけで痩せるダイエットとは?
ゆっくり食べるだけで痩せるダイエット方法とは、毎日食べている3食の食事をゆっくりと時間をかけて食べるだけのダイエットです。
同じ食品を早く食べた場合と、ゆっくりと時間をかけて食べた場合でくらべると、ゆっくりと食べたほうがDIT(食事誘発性熱産生、一般的にいうと消費エネルギー)が多くなることがわかっていますので、ダイエット効果が期待できます。
消費エネルギーが多くなる理由は、噛む回数が増えることにあります。ゆっくり食べると噛む回数が自然に多くなります。噛む回数が多ければ多いほど胃や小腸といった消化の働きをおこなう内臓に、血液を送る動脈の血流量(血液の流れのこと)が増えることで消費エネルギーが多くなるといわれています。
一回の食事では、消費されるエネルギーが少なくても、毎食分を一年間積み重ねていくと体脂肪1.5kgを消費する計算になるといわれています。
これは、実験では300キロカロリー程度の栄養補助食品で行っているため、実際に日常で食べる食事であればもっと食事量が増えるため、取り入れるエネルギー量も増えることから、より多くのエネルギーの消費がおこなわれることが予測されています。
また、女性を対象におにぎりを食べてもらい、食べたときにどのくらいの時間がかかったか、咀しゃく回数はどのくらいだったかを記録した実験では、体脂肪率の低い人ほどゆっくり食べているといった結果が出ています。
昔からゆっくりよく噛んで食べることが健康によいといわれていましたが、肥満と早く食べることとの関係があることがわかっていて、食べるのが早い人ほど太りやすいということが本当であることを裏付けています。
参考サイト
e-ヘルスネット:早食いと肥満の関係 -食べ物をよく「噛むこと」「噛めること」
ゆっくり食べるとなぜ痩せる?効果の理由とは?
ゆっくり食べるとなぜ痩せるのかは、よく噛むことにより消費エネルギーが増えることもありますが、その他にもさまざまな理由があります。
血糖値の上昇を抑える
ゆっくり食べることで血糖値の上昇を抑えることができます。血糖値を緩やかに上昇させることがダイエットにつながります。
よく噛まずに飲み込んでしまうような食べ方をしたり、おかずを食べる前にごはんをかきこんで食べたりと早食いになるような食べ方をしてしまったとき、体の中では血糖値が急上昇しています。
血糖値が急激に上がると、インスリンが大量に分泌されて血糖値を下げようと働きます。この大量に分泌されたインスリンは、使いきれなくなった過剰な糖を脂肪に変えてたくわえようとするため、太りやすい体につながってしまいます。
また、急激に血糖値が上昇するとインスリンの働きによって血糖値が急激に下がります。急激に下がると、今度は空腹感を感じやすくなり、さらに食べてしまうことにつながります。
そうなると、食べ過ぎてエネルギーが過剰になることで、肥満になりやすい体になってしまいます。
食事をゆっくりよく噛んで食べるようにすると、血糖値をゆるやかに上昇してくれますので、血糖値の急激な上昇を抑え、脂肪として蓄積されにくくする効果が期待できます。
参考サイト
NIKKEI STYLE:血糖値の急上昇を避ける3つの食べ方
食べ過ぎを予防する
ゆっくり食べることでよく噛むようになりますので、脳の中にある満腹中枢を刺激して、食べ過ぎを防いでくれます。
ゆっくり食べることは、肥満の対策になります。
「肥満治療ガイドライン」にも行動療法として咀しゃく法が取り上げられていて、一口食べるときには30回噛むことをすすめています。
食べ物の種類によっては、やわらかいものであれば30回噛むことがむずかしいときもあるでしょう。そのようなときは、飲み込む前にあと10回プラスして噛むように意識すると、噛む回数を増やすことにつながります。
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ゆっくり食べるだけで痩せるダイエットの口コミ評価
ダイエットの口コミを見てみると、ゆっくり食べるダイエット方法はお金もかからずに、すぐに取り組めることからやってみようと挑戦される方も多いようです。
実際に効果があったと感じた人の中では、食事を取る前にまず、するめいかを食べてやわらかくなるまでよく噛むことで、満腹中枢を刺激してから食事を始めるという方法を実践していました。
この方の場合、一週間で2kgの減量に成功したと投稿していて、食欲を抑えようとがんばらなくても、普通に食事をしていてやせることができたようです。
食事をする少し前にガムをかむことで食べ過ぎを防ぐ効果があるといわれていますので、するめいかでも同様の効果がみられたのかもしれません。また、よく噛むことで食事の全体量を無理なく減らすことができたようです。
ただ、するめいかの場合は、塩分が多く含まれていますから食べ過ぎには注意が必要です。食事前に食べるのは1本程度に抑えて、よく噛んで食べるとよいでしょう。
ほかにも根菜類のごぼうや海藻類の昆布など、よく噛むことのできる食材を食事前に食べることもおすすめです。
管理栄養士がゆっくり食べると痩せるダイエットを検証
ゆっくり食べるだけで痩せるダイエットは、効果が期待できるダイエット方法です。
通常の食事をしながら、ゆっくりと時間をかけるだけでも噛む回数が自然に増えますが、さらによく噛むことを意識して、一口30回を目標にするといいでしょう。
一回の食事にかける時間の目安は最低でも15分です。
平日の朝食や昼食などは、仕事や家事などで忙しく食事の時間をゆっくりとることができないかもしれません。そのようなときは、夕食や休みの日などを利用してゆっくり食事に時間をかけるように心がけるといいでしょう。
よく噛むことを意識するために、食事に野菜を取り入れるのもよい方法です。
野菜やきのこ、海藻類などの食材を取り入れると、食物繊維をとることができます。食物繊維はよく噛まないと飲み込みにくい特徴があります。
自然に噛む回数を増やしてくれますし、野菜を取り入れることで食事のバランスもとることができるのでおすすめです。
このダイエット方法は、よく噛むことによる消費エネルギーは少ないために、すぐには体重に変化がみられないかもしれません。
毎日続けることで食事の量を自然に減らすことにつながったり、空腹のときの食べ過ぎを減らすことにつながったりとダイエットの効果が期待できます。
すぐにあきらめるのではなく、まずは毎日続けてみましょう。ゆっくり食べることは体にとっても大切なことです。
食事を抜いて体重を減らそうとがんばってしまったり、いろいろなサプリメントを試したりする前に、よく噛んで食事をとってみましょう。ダイエットだけでなく肥満の予防や健康のためにも、ぜひ実践してみることをおすすめします。
まとめ
ゆっくり食べるだけで痩せるダイエットは、体にとって優しいダイエット方法です。痩せるだけでなく、健康的な体づくりをするためにも効果が期待できます。
忙しい現代人は、食事も早く食べて簡単に済ませてしまいがちです。できるだけ食事には、時間をかけて一日一食からでもゆっくり召し上がってみてはいかがでしょうか。
どうしても早食いになってしまう方は、ひとくち食べたら必ず箸をおく、会話を楽しみながら食べるなど工夫をして、よく噛むことを意識しながら食べてみることをおすすめします。