黒酢ダイエットの効果と成功する方法【食中・食後に1日大匙1杯がベスト!】
更新日: 2018年11月02日
管理栄養士の岩月です。
今回は1日大さじ1杯からの黒酢ダイエットのやり方を紹介します。
クエン酸を豊富に含んでいて、水で割ることで簡単に摂取することが可能ということで疲労回復効果に注目が集まり、その後クエン酸以外にも酢酸やアミノ酸も豊富であることからダイエット効果にも注目が集まりました。
そんな黒酢を使った黒酢ダイエットで、1日1杯からでも簡単にダイエットを成功させるための方法をお伝えします。
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黒酢ってどんなもの?
黒酢は健康に良い、ダイエットに良いと言われていますが、一体どんな酢なのかをよく知らないという人も多いのではないでしょうか?
黒酢がどんな酢なのかを知るとなぜ健康に良いのか、ダイエットに良いのか分かります。
黒酢は米酢と同じ穀物酢です。原料は米(精白米は除く)のみか、米に小麦や大麦を加えたもののみで作られています。
最も特徴的なのは米酢が酢1リットルに米40g以上でいいのに対して、黒酢は酢1リットルに米180g以上使われています。
使用するお米が4倍以上違うことで黒酢には米酢の10倍以上のアミノ酸が含まれています。この豊富なアミノ酸がダイエットに良いと言われるポイントです。
黒酢の効果・効能!なぜダイエットにいいのか?
黒酢に含まれている成分で、ダイエットに効くのは酢酸、クエン酸、米酢の10倍以上も含まれているアミノ酸です。
それぞれの効果がどのようにダイエットに効くのか解説します。
酵素を活性化させる酢酸
黒酢だけでなく、食酢に分類されるもの全ての酢の主成分が酢酸です。摂取した酢酸は、肝臓で代謝される時にAMPKという酵素が活性化します。
AMPKは体内のエネルギー量を一定に保つセンサーの役割を果たしていて、血糖値が下がってきた時や、運動などで体内が低酸素状態になった時に活性化します。
この酵素が活性化すると、糖質や脂質を体脂肪へと合成する酵素の働きを抑制して、体に蓄えないように働きかけます。
同時に糖質や脂質をエネルギーとして使うよう誘導します。これは筋トレやエクササイズを行った時に得られる効果と同様で、ダイエットの大きな助けになります。
糖質を大きく消費させるクエン酸
疲労回復に効くとして知られているクエン酸ですが、疲労回復の仕組みはダイエット効果にもつながっていきます。
体内には色々なエネルギーを生み出す仕組みがあります。その中の1つに糖質からエネルギーを作り出すクエン酸回路という仕組みがあります。
この回路の途中の中間物質としてクエン酸は作られていて、連続的かつ大きなエネルギーを生み出すための起点となっています。
この作用は食事で摂取した糖質に作用するだけでなく、筋肉中に蓄えられているグリコーゲンにも作用して、エネルギー消費を増やしてくれます。
筋肉中のグリコーゲンの消費が増えると、体は筋肉でエネルギーが足りなくなると感じ、より筋肉に糖質を集めてくれるように働くので、クエン酸を摂ることは糖質を消費しやすい体作りも助けてくれます。
脂肪燃焼を促すアミノ酸
他の酢とは違う黒酢の大きな特徴がアミノ酸の種類と含有量の多さです。その中のアルギニン、プロリン、リジン、アラニンの4種類のアミノ酸は、脂肪分解に働く酵素であるリパーゼを活性化します。
主に活性化させるのは、リパーゼの中でもホルモン感受性リパーゼという脂肪をエネルギーとして燃焼させるように働く酵素です。
このホルモン感受性リパーゼによって脂肪燃焼が始まると、興奮ホルモンであるアドレナリンの分泌が促されます。分泌されたアドレナリンはさらにホルモン感受性リパーゼを活性化するので、より脂肪燃焼を促進します。
内面からダイエットを支える3つの必須アミノ酸
黒酢は必須アミノ酸9種類のうち、8種類を含んでいる食品です。その中にバリン、ロイシン、イソロイシンの3種類の必須アミノ酸があります。これらはまとめてBCAAと呼ばれています。
BCAAは、この3種類の分子構造の特徴から名付けられています。この3種類がどのように黒酢ダイエットに役立つのか解説します。
筋肉の修復と成長を助けるバリン
バリンには、たんぱく質を使って筋肉の修復を早める効果と合成に使うアミノ酸の量を調整して筋肉の成長を助ける効果があります。
またバリンは集中的に肝臓細胞合成を促進するので、肝臓の機能を向上させる働きがあります。肝臓の機能向上により糖質や脂質の代謝速度が上がるので、エネルギー消費速度を上げて黒酢ダイエットを助けてくれる効果が期待できます。
筋肉の消耗を抑えるロイシン
ロイシンには、筋肉作りを促す作用と筋肉の消耗を抑える効果があります。
また筋肉に蓄えるグリコーゲンの量も増やすので、基礎代謝をしっかりと行える痩せやすい体づくりを助けてくれることにプラスして、疲労感の軽減や疲労回復も早めることが期待できます。
代謝を助けるイソロイシン
イソロイシンには、全身の代謝を活性化させる甲状腺ホルモンの分泌を促す効果があります。甲状腺ホルモンが分泌されると全身の細胞でのエネルギー産生が促進されます。また甲状腺ホルモンは成長ホルモンの分泌を促して筋肉でのエネルギー消費を高めるのと同時に、筋肉を作るように働きかけてくれます。
さらにバリンの筋肉の成長を助ける効果と肝機能向上効果、ロイシンの筋肉の消耗を抑える効果をサポートする効果があります。
3つの必須アミノ酸はダイエット以外にも
バリン、ロイシン、イソロイシンにはダイエットに直接ではないけれどもいいことがまだあります。
バリンには、肌の基本構造でコラーゲン同士を結びつけたエラスチンという物質の産生を促す働きがあります。エラスチンの合成は肌のキメに大きく関わるので、ダイエット中のキレイな肌の維持や改善を助けてくれます。
ロイシンには、鎮静効果と気分の高揚と幸福感作用のある脳内ホルモンであるエンドルフィンと同じ効果があり、ダイエット中の精神的ストレス緩和が期待できます。また髪の毛合成とも大きく関わりがあり、髪のキメやキューティクルを整えて健康的な髪を維持する効果が期待できます。
イソロイシンには、脳内で増えると疲労を感じるセロトニンというホルモンが生成されるのを抑えて疲労感を軽減する効果と神経細胞の働きを助け、神経伝達速度を上げて集中力を維持する効果が期待できます。
この効果は疲労感の軽減やダイエットの倦怠期対策にも期待できます。
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黒酢ダイエットはどう進める?
酢酸、クエン酸、アミノ酸とダイエット効果が期待できる黒酢ダイエットですが、やり方はとてもシンプルです。1日に大さじ1杯~大さじ2杯を摂るだけです。数値にすると15mlから30mlです。
ダイエット成功には負担にならないことと、黒酢は食品なので美味しく摂ることがコツです。
一番負担にならないのがドリンクとして摂ることです。
おススメの摂り方はお湯割りでハチミツを加える飲み方です。
お湯割りにすることで体を温めて代謝を促します。ハチミツには黒酢に含まれているのと同じ種類のアミノ酸が含まれているので、アミノ酸のダイエット効果をより高くしてくれます。
目安の分量はお湯150cc、黒酢大さじ1杯、ハチミツ大さじ1杯です。
飲むタイミングは食事中か食後がベストです。
これまでにお伝えしてきた効果に加えて、酢酸による胃の撹拌運動促進とハチミツに含まれている糖質分解酵素で消化がよりスムーズに進むようになるので、代謝も促進されます。
上限を大さじ2杯としているのは黒酢が刺激物であり、胃に直接影響を与えるので摂り過ぎ防止と胃痛予防、さらに歯が受ける黒酢からの酸の影響を抑えるためです。
これらの気を付ける点については後で詳しくお伝えします。
黒酢ダイエットの注意点
黒酢ダイエットは摂るだけの簡単なダイエット法ですが、以下3つの点に注意する必要があります。
- 大量に摂らない事
- 空腹時に飲まない事
- 糖分の量
黒酢は胃に対する刺激が強い食品です。
酢は胃酸の分泌を促進するので、空腹時では胃酸過多で空っぽの胃を強く荒らすので、胃痛や消化不良や食欲不振の原因になります。
また大量に摂ることで歯の表面のエナメル質が溶かされ、酸蝕歯という状態を作る原因になることがあります。
虫歯や歯周病と並ぶ口腔内の症状で、黄色く見た目が悪くなることと、歯が抜け落ちたり虫歯となる原因になったりという事態を引き起こすがあるので、黒酢ダイエットでは摂取上限を守るようにして下さい。
最後に、市販の黒酢ドリンクを使用する時には入っているものに注意して下さい。
市販の黒酢ドリンクは、多くがブドウ糖で甘く飲みやすくしているので、1本でも意外と高カロリーです。ダイエットでは可能な限り自分でドリンクを作るのがおススメです。
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まとめ
黒酢ダイエットは、飲むときの注意点が2つと選ぶ時の注意が1つありますが、1日大さじ1杯からでも5つの効果が得られます。
- 酢酸の体脂肪合成を抑えつつ糖質と脂質を消費するように誘導する効果
- クエン酸の糖質を消費して大きなエネルギーを生み出す回路の活性化の効果
- アミノ酸のホルモン活性化による脂肪燃焼効果
- 必須アミノ酸の肝機能強化による代謝改善効果
- ダイエットしやすい体のための筋肉づくりのサポート
さらに必須アミノ酸のBCAAによる肌や髪の調子の維持、ストレスの軽減、精神的疲労感の軽減と集中力の維持など3つのサブ効果も黒酢ダイエットにはあります。
この記事が、黒酢ダイエットに取り組まれるあなたの助けとなれば幸いです。