奇跡の野菜ビーツ(ビートルート)の栄養・効能・ダイエット効果
更新日: 2018年11月05日
イギリスでは昔からポピュラーな野菜ビーツ。ビーツは近年、さまざまな栄養価が認められています。
日本ではまだあまり一般的ではありませんが、健康志向の強い方たちからは新しいスーパーフードとして大注目を浴びており、これからますます人気は高まっていくはずです。
「飲む天然輸血」「奇跡の野菜」といわれるビーツの人気の秘密から、簡単で続けやすい食べ方、入手方法、効能やダイエット効果などに迫ります。
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ビーツとは?
ビーツとは、地中海沿岸地方が原産のアカザ科のテンサイ(サトウダイコン)の一種である野菜です。皮も中身も、色は鮮やかな赤紫色ですが、その見た目がアブラナ科のカブに似ていることから、赤カブとも呼ばれています。
しかし、ビーツはカブの仲間ではなく、カブとはまったく別の野菜です。
ロシア料理のボルシチにも使われるビーツですが、女性に嬉しい健康効果がたくさん認められており、新たなスーパーフードとして現在熱い注目が集まっています。
ビーツにはミネラルやビタミンが豊富で、葉の部分には鉄分が多く含まれています。また胎児の成長に欠かせない栄養である葉酸もたくさん含まれているので、妊婦さんにとっても嬉しい野菜といえます。
しかし、ビーツが世界中で注目を浴びている理由は、ビタミンや鉄分、葉酸だけではありません。それは、「NO(エヌオー)」と呼ばれる栄養です。
NOとは、一酸化窒素のことです。
NOとは、一酸化窒素のことですが、血管の筋肉を柔らかくし、丈夫でしなやかな血管をつくってくれるのです。しなやかな血管によって全身へ血をめぐらせる血流もスムーズになり、代謝がアップし、痩せやすい体作りに貢献するだけでなくデトックス効果や疲労回復効果が期待できます。
これらの効果をもたらすビーツの豊富な栄養は「飲む天然輸血」と例えられるほどです。
ビーツがダイエットに効果的な理由
NOによる効果以外にもビーツはダイエットサポートの効果が期待できます。
まず、食物繊維が豊富であること。さらに、ビーツには天然のオリゴ糖も豊富なため、腸内の善玉菌を増やしてくれます。それにより、便秘を原因とするぽっこり下腹を引き締める効果を期待できます。
そして、ビーツにはカリウムも豊富です。カリウムは体内の余計な塩分を体外に排出する機能がありますから、むくみの解消が期待できます。
また、ベタシアニンというポリフェノールの一種が含まれており、体内の活性酸素が取り除かれることによって、アンチエイジングにも効果があると言われています。
これらの栄養がデトックス効果をもたらすことによって、ダイエットだけでなく、美肌効果も期待できます。
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イギリスでのビーツの評価
ロシア料理のボルシチにビーツが使われることは上述しましたが、実はビーツはイギリスで大人気の野菜なんです。
イギリスのスーパーでは、ビーツの収穫時期が過ぎても一年中ビーツが食べられるようにビーツの水煮やビーツの酢漬けが販売されています。
また、「BEET IT」というビーツジュースがイギリスでは人気。
英国土壌協会(ソイル・アソシエーション)というオーガニック認定機関の厳しい基準をクリアし、認定を受けているBEET ITは、無添加のベジタブルジュースとして、美容家だけでなく、多くのアスリートも愛飲しています。
このBEET ITは日本語のオンラインサイトおいて、購入することも可能です。
出典:Amazon
美容雑誌だけでなくウォール・ストリート・ジャーナルやスポーツ雑誌にも多く特集されていたり、英国放送協会(BBC)で取り上げられていることからも、ビーツの栄養価の高さがわかります。
2016年1月に表参道に日本上陸一号店がオープンし、感度の高い女性から圧倒的な人気を得ている、イギリスの有名デリカフェ「フランツ アンド エヴァンス ロンドン」でもビーツのサラダが定番メニューとして紹介されています。
イギリスでは「ビートルート」という名前が一般的ですが、もちろんその栄養は広く知られており、イギリスでは「奇跡の野菜」と評されています。
ビーツの食べ方
ビーツはサラダや酢漬けにしてオードブルの彩りにしたり、バーニャカウダのつけあわせにするのが最もポピュラーな食べ方です。
皮を剥いてしまうと、せっかくの豊富な栄養が流れ出てしまうおそれがありますから、ボルシチなどのスープのように煮汁も一緒にいただいたほうが、栄養をあますところなく摂取できるのでおすすめです。
調理をする場合は、皮付きのまま丸ごとビーツを茹で、粗熱がとれてから皮を剥くと、手で簡単に皮がむける上に、カリウムなどの栄養素の損失も少なくて済みます。
サトウダイコンという甜菜の仲間ですから、自然な甘みがあります。その甘みを活かして、調理が簡単なスムージーをご紹介します。
皮を剥いたビーツ1個とバナナ1本を適当な大きさに切り、豆乳200ml、氷と一緒にブレンダ―にかけるだけで完成です。
事前に皮を剥いておけば、忙しい朝でも時間がかからず簡単です。
酸味との相性もいいので、ビーツとレモン、ビーツとリンゴなど、様々なアレンジを加えたスムージーも楽しめます。
ビーツとレモンの甘酸っぱいジュースは、夏場食欲のないときでもサラリと飲むことができます。
また、鉄分たっぷりなビーツの葉はホウレンソウのような味です。ホウレンソウと同様にパスタにしたり、ベーコンと炒めるとおいしくいただけます。
ビーツのメリットとデメリット
ビーツのメリットは今までご説明してきたように、その種類も量も豊富な栄養素です。
では、ビーツのデメリットとは何でしょうか。
まず、現状において最も大きなデメリット、日本ではまだまだ一般的ではないこと。かなりインターネットの通販などでお取り寄せもできるようになりましたが、直接体に入るものは自分の目で見て購入したいと思う方も多いことでしょう。
そういった方にとって、海外産の野菜を多く取り扱っているスーパーでなければ、ビーツ自体の取り扱いをしていないお店も多く、まだ日本では簡単に手に入る状況とはいえません。
しかし、最近では北海道や長野県、茨城県などでもビーツを栽培している農家さんが増えてきています。これから、国内でのビーツ需要が高まっていけば、多くのスーパーでも取り扱われることになり、もっと身近な野菜になるでしょう。
次に、ビーツをたくさん食べると尿が赤くなることがあります。これは、ビーツの色素が体内で分解されにくいため、そのまま尿として排出されることによって、尿が赤くなってしまうのです。
「ビーツ尿」といわれる現象で健康に影響はありません。しかし、ビーツを食べた後の尿の色が、血のような色とあまりにも酷似していることから、血尿と勘違いして病院へ行ってしまったという事例もあります。
ビーツを食べた後は、赤い尿が出ても驚かないでください。
まとめ
ビーツはさまざまな栄養が一気に摂取できる、まさにスーパーフード。
彩りが綺麗なので、緑一色になりがちなサラダなどに加えれば、目にも鮮やかなアクセントになります。
これから多くの人のアイディアによって調理の幅を広げることができたら、ビーツの可能性はまだまだ広がる余地があります。
また、ビーツは標準サイズのプランターで育てることができますから、簡単に入手したい方は、ご自宅のベランダやお庭で家庭菜園にチャレンジしてみるのはいかがでしょう。
上手に生育できれば、9月の種植えから大体2~3ヶ月ほどで収穫でき、暑さに弱いビーツでも夏を経ずに育てることができます。
ご自宅の家庭菜園でビーツがたくさん収穫できるようになれば、それを酢漬けにして常備菜にしてもおしゃれでいいですね。
豊富な栄養、入手方法、おいしい食べ方など…。ビーツの魅力を知り、上手に日常に取り入れることで、毎日に新たな彩りが加わるはずです。
みなさんも、ぜひビーツの魅力に触れて、新しいスーパーフードの効果を感じてみてください。