なぜ起きる?ダイエットの停滞期で知っておきたい4つの事
更新日: 2018年11月04日
人がダイエットを行う上で停滞期は大きな障害となります。ダイエットの停滞期について知っておくことで成功率は大きく変わってくるでしょう。
ここでは停滞期の起こる理由と停滞期を乗り越えた先に待っているリバウンドについて解説します。また食事、筋力トレーニング、有酸素運動の観点から停滞期を乗り越える為の解決方法も紹介します。
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1.ダイエットの停滞期はなぜやって来るのか
人類の進化の結果
現生人類のホモ・サピエンスは今から40万年前にアフリカで誕生しました。そして、その歴史のほぼ全てが飢えとの戦いの歴史なのです。
人類は誕生以来、乏しい食料の中で必死で生き抜いてきました。2万年ほど前に農耕が始まりましたが、それでも飢餓からは逃れられません。常に天候に左右されて日常的に安定してカロリーを摂取できるようにはならなかったのです。
年間を通して十分な食事が摂れるようになったのはせいぜい数十年前からでしょうか。それも先進国に限られています。
結果として人類の遺伝子には飢えに対する強力な抵抗力が備わりました。カロリーが余れば積極的に脂肪として蓄え、不足の飢えに対応しようとします。
そしてカロリーが不足した時に消費エネルギーを抑えて省エネモードになります。これがダイエットの停滞期を生じさせてしまうのです。
飽食の時代となった現在において、その研ぎ澄まされた遺伝子が私たちに牙を剥きます。
長い飢えの時代を経て糖質と脂質という効率がよく蓄えやすいカロリーほど美味しいと感じるようになりました。
そして現在、その美味しい食べ物を簡単に食べることができます。
これからの人類は飽食からくる肥満、生活習慣病と戦っていかなくてはいけないのです。
基礎代謝が減少
なぜ停滞期には、体重が落ちなくなってしまうのか?
それは体が基礎代謝を抑えこんでしまうからです。
カロリーを日常的に摂取できているのならば遠慮無くエネルギーを代謝して高めの体温を保とうとします。高い体温ほど体の免疫力も高く維持することが出来て、身体能力も最大限発揮できるからです。
しかし、カロリーが一定期間にわたって不足してくると、このエネルギー代謝の無駄遣いを打ち切って省エネモードへと移行します。免疫力よりも生死に直結しやすい飢餓に対応することのほうが大事だからです。
また、体型の急激な変化は太るにしても痩せるにしても内臓にも負担をかけることになり体はそれを避けようとします。
結果として体温は下がり、体全体の活性が低い状態で維持されるようになります。
つまり基礎代謝の減少です。
人体の飢えへの対応力は凄まじく停滞期が始まってから2,3ヶ月をかけて最大で半分まで基礎代謝を抑えることができます。
停滞期はダイエットを始めて1ヶ月後くらいから始まり数ヶ月間続きます。
またダイエット方法によっては、そこからいくらダイエットを続けても体重が減ることはなくなってしまいます。
2.どうやって停滞期を乗り切る?
心理的負担を抑える
ダイエットをしていて停滞期が始まってしまった時に一番の問題となるのが心理的負担です。具体的には焦りとモチベーションの低下でしょうか。
調子よく減少していた体重の変化がピタッと止り、むしろ微妙に増えてしまうことすらあります。
これにより焦りが生まれ、なんとか体重を減少させようと更なる食事制限をしたり、水分の摂取を控えたり、または体重計に乗る前に汗を大量にかいてみたりしたことがある人もいるでしょう。
しかし、これらはダイエットにおいては刹那的なものでしか無く停滞期を抜け出すことには繋がりません。
また停滞期が長引きモチベーションが失われて、そのままダイエットを断念してしまう人も少なく無いでしょう。
これらの心理的負担に対応するためにも停滞期について詳しく知っておくことが大事です。
ダイエットを計画的に行い、停滞期の存在も織り込んでおきましょう。
ダイエット中になると体重が気になり、頻繁に体重計に乗るようになる人は停滞期に体重計を断つことも大切です。
現在の数百g、数十g単位で計れる体重計は少しの水分補給や汗でも数値が変わってきます。そのような不安定な数字に振り回されてしまうとモチベーションの低下からダイエットの失敗につながってしまいます。
停滞期が始まったら1ヶ月ほどは体重計には乗らず、姿見を確認したりお腹をつまんでみたりして成果を確認するようにしてください。
停滞期から素早く抜け出すには
停滞期は体が省エネモードに移行し基礎代謝が下がっていることが原因です。
つまり何らかの方法で下がった基礎代謝を引き上げなければなりません。そのためのキーワードは体にショックを与えるということです。
まずは食事においてチートデイというものがあります。これはアスリートが減量を行う際に1周間に1度程度の割合いで大量の糖質でカロリーを摂取することです。1日の消費カロリーの2倍以上の糖質を摂るようにしてください。
これにより省エネモードに移行した体にショックを与えて目覚めさせることができます。
次に筋力トレーニングを行い基礎代謝を上げる方法です。
このとき行う筋力トレーニングは通常の腕立て伏せや腹筋運動ではなく、なるべく高負荷のものが望ましいです。
可能であるならジムなどへ行き高負荷のトレーニングを低回数で行いましょう。
筋肉にショックを与えて、省エネモードの活性が低い状態では対応できない緊急事態だと体に錯覚をさせます。
また普段行っていないのならジョギングやサイクリング、スイミングなどの有酸素運動も有効となります。
エネルギー代謝の根幹となる心肺機能に刺激を与えて呼び覚ますことができます。
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3.停滞期を起こさない
食事制限で基礎代謝を落とさない
停滞期というのはダイエットにおいて最も大きな壁となります。その停滞期を起こさずにダイエットを行うことができたら何より理想的です。
ではその停滞期を起こさない、つまり基礎代謝を落とさずにダイエットを行うにはどうすればいいでしょうか。
食事においては前述のチートデイを活用する方法があります。
1週間に一度しっかりと糖質を摂り、基礎代謝の低下を防ぎます。
また人間は食べ物を食べて消化吸収すること自体にもエネルギーを消費します。これを食事誘発性体熱産出と言い、1日の消費カロリーの1割に相当するものです。
1日の食事回数を減らすと、この食事誘発性体熱産出も下がってしまいます。食事はしっかりと3食摂るようにしましょう。
筋力トレーニングでアフターバーンを狙う
2015年秋のラグビー日本代表の活躍も記憶に新しいのではないでしょうか。
彼らのトレーニーング風景もTVなどで頻繁に見かけました。そのなかで注目したいことは、早朝に筋力トレーニングを行っていたことです。
なぜ、筋力トレーニングを早朝に行うのか?それはアフターバーンと呼ばれる効果を狙ったものです。
アフターバーン効果は筋力トレーニングを行った後にエネルギー代謝が高い状態が約24時間ほど続くことを言います。
筋力トレーニングは筋肉を増やして基礎代謝を底上げする効果だけではなく、それ自体を行うことで一時的に体の活性を高めてくれるということです。
ダイエットと言えば食事制限と有酸素運動が真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、朝の筋力トレーニングも積極的に取り入れたほうが効果的です。
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有酸素運動で脂肪を燃やす
有酸素運動で脂肪を燃やすためには20分以上の継続した運動が必要ということは多くの方がご存知だと思います。これは人間が運動をする際にまず使われるエネルギーは筋肉に貯めこまれたグリコーゲンだからです。
グリコーゲンは食事で摂取した糖質から作られる効率のよいエネルギーです。このグリコーゲンを枯渇させなければ脂肪をエネルギーとして分解するまでには至りません。
そこで重要になってくるのが有酸素運動を行うタイミングです。
食事直後のグリコーゲンが補給された状態で行うのは、あまり効果的ではありません。ということは前回の食事から一番時間が開いているタイミングである朝に行うのが最適となります。
また前述の筋力トレーニングによるアフターバーン効果を利用することでさらに効率的なエネルギー代謝を狙うことができます。
つまり朝に起床した後、軽く水分補給をしストレッチなどで体を目覚めさせ、その後に筋力トレーニングを行い、有酸素運動へというのがダイエット中の理想の運動方法の一つと言えるのです。
4.リバウンドにどう対応するか
リバウンドも停滞期と原因は同じ
ダイエットによって目標体重に到達した後に考えなくてはならない問題がリバウンドです。これもダイエット中の停滞期と根本の原因は同じで、ダイエットによって下がってしまった基礎代謝によって引き起こされます。
せっかく過酷なダイエットの結果、理想の体を手に入れても元に戻ってしまっては意味がありません。
だからと言ってダイエット中の食事制限を延々と続けることは難しいでしょう。このリバウンドをどう解決するかがダイエット最後の難関です。
基礎代謝を素早く戻す
停滞期の時と同じように基礎代謝をいかに素早く元の状態まで引き上げるかがリバウンドを乗り切るために重要な事です。
停滞期の時がそうであったように食事とトレーニングで体にショックを与える方法で基礎代謝はもとに戻すことができます。
しかしリバウンド対策にはそれをもっとゆるやかに行うことが重要です。
代謝を引き上げた後も体重を減少させる停滞期の時とは違い、ダイエットの最終局面ではチートデイそのものがリバウンドにつながってしまうからです。
そこで理想となるのがダイエットの後半に食事制限を止めて筋力トレーニングと有酸素運動のみで目標体重に到達する方法です。
全ダイエット工程の9割程度の体重を減少させたら、あとは運動のみでダイエットを継続しましょう。それによりダイエットが完全に終了した後も減少した基礎代謝を素早くもとに戻すことができます。
リバウンドを織り込んでダイエットを行う
リバウンドをダイエットの計画のうちに織り込んでおくことも一つの方法です。
目標体重より更に1~2割ほど多く体重を落としておいて、基礎代謝を戻すためのチートデイによるリバウンドを補います。
また、痩せているのは薄着になる夏のみでいいという人は1年のスケジュールにおいて通常の期間とダイエット期間をはっきりさせておくことも有効です。
ボディビルダーやプロ野球選手などのアスリートもシーズンごとの増量期と減量期がはっきり別れており、それに近い方法となります。
リバウンドを起こさない
リバウンドを起こさないためには緩やかな体重減少が重要となってきます。
ダイエットで1ヶ月に落としていい体重は一般的に体重の5%までと言われますがリバウンドを完全に起こさないためには1%が理想となります。
かなり少ない印象を受けますが半年、1年と継続することで大きな成果となってきます。
また短期間で減らす体重が少ないため大幅な食事制限も激しい運動も必要なく、むしろ一度に体重を減らさない努力が必要となってきます。
それには食事や運動に小さなルールを作ることです。
食事制限のルールは、一生その食生活で過ごすこともできるというレベルにとどめます。1週間に3日だけ夕食の白米を半分にするなど、その程度です。
また食欲を刺激する激しい運動は控えて、日常生活のなかで消費カロリーを増やしていきます。
このようにリバウンドをしないダイエットはとても簡単で理想的です。しかし継続するというのは何より難しいことで、これができるようになった人には、もはやダイエットは必要ないのかもしれません。
まとめ
ダイエットの停滞期について4つの要素を紹介しましたがいかがでしょうか。
停滞期をきっかけにダイエットに失敗してしまった人は少なく無いでしょう。
しかし最大の障害である停滞期の原因と対策がわかればダイエットの成功率もぐっと上がるはずです。
ぜひ今回紹介した知識を使って計画的にダイエットを行ってみてください。